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ラシーヌ主催 イタリアワイン勉強会第5回 ヴェネト編

雪は降らないものの肌を刺すような寒さに覆われた深夜の大阪市内。
ラシーヌさん主催のイタリアワイン勉強会第5回目はヴェネト編。
いつもより少し多めの人数で、肥後橋にあるPIANO PIANOさんにて開催されました。

純然たる勉強会であることを忘れてしまうほど、笑みがこぼれる美味しさだったのは
メンティのスプマンテ、オモモルト2011年。
爽やかな酸と柑橘に支えられた溌剌としたスプマンテは、スターターとして最適の一杯。

ガルガーネガの樹齢が違うパイエーレ2011年(25年)と
リーヴァ・アルジーリア2011年の比較試飲。
ともにメンティらしいクリーンで透き通るような質感を備えつつも、
酸の出方や厚み、抑揚においてあきらかな違いが生じていました。

「家でくつろぎながらまったりと飲みたいですねえ。。。」
思わずそんな声がもれたのは、
ヴァレンティーナ・クービのヴェローナ・ロッソ シン・チェーロ2011年。
艶やかで明るく、伸び伸びとした美味しさ。ずっとそばに置いておきたい一本。

ここからギアが入れ替わり、まずはモンテ・ダッローラの
ヴァルポリチェッラ・クラッシコ・スペリオーレ カンポレンツォ2010年。
スモーキーでダークチョコレートのような風味、じわじわと中盤から後半にかけて
たたみかけてくるような美味しさにはリズム感があります。

淡い色調の外観からはやや心もとない印象をもつ
ラルコのヴァルポリチェッラ・クラッシコ・スペリオーレ2008年ですが、
口に含むとじんわりと旨みエキスが広がり、舌の端から端まで
くまなく染みこんでいく様が圧巻。熟れた美味しさは唯一無比。

カベルネ主体のブレンドであるロッソ・デル・ヴェロネーゼ ルベオ2008年も、
やはりラルコらしいエキスのかたまり。カカオ的な甘みが一段とまし、
ふくらみのあるこの液体は、ずっと口に含んでいたいと思わせました。

今回初めて試飲させていただいたのがモンテ・デイ・ラーニ。
ヴァルポリチェッラ・クラッシコ・スペリオーレ・リパッソ2007年は
アタックから凝縮感にとみ、ぐいぐい押し寄せてくるような旨み爆弾。
それでいて粗野なところがなく、アフターはスムーズな余韻に夢心地。

その延長線上にあるアマローネ・クラッシコ・デッラ・ヴァルポリチェッラ2005年は、
さらに各要素が密度をまして、じわじわと迫りくるような構成に。
まだまだ若いという印象もありましたが、これからどんなふうに成長していくのか。。。
まるで神童をみるような思いです。

アマローネ、準アマローネと続いたテイスティング、最後ももちろんアマローネ。
モンテ・ダッローラのアマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコ ストローパ2006年。
濃密で、豊かで、温かみがあり、包容力のあるワイン。甘さを感じさせるけども
“甘くはない”液体。レストランでとっておきのお料理とともに、大切な人と楽しみたい
ワインではないでしょうか。

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軽妙洒脱なガルガーネガから濃醇無比なアマローネまで、
多種多様なワインを産み出すヴェネト州。海あり山あり河川あり、
独自の郷土料理も豊富に揃うまさに食の都。

プロセッコ、ソアーヴェ、ヴァルポリチェッラなど、どちらかというと親しみやすい
ワインが多い印象のヴェネト州ですが、畑仕事からセラー内まで丹精込めた
造り手によるワインは、凡庸なそれとは一線を画した、輝きを放っています。

ぜひそのようなワインに触れていただき、ヴェネト州の魅力を
感じていただければ嬉しいです。
イタリアワインの難しさでもあり面白さでもある多様性。
ヴェネト州のワインはそれを端的に伝えてくれる好例ではないでしょうか。

ありがとうございました!

Dai Aramaki
by kokusan_fujimaru | 2014-02-21 16:24 | イタリアワイン