楠田浩之さんによるKUSUDA WINESセミナー

9月14日、ときおり激しい雨が降るなかワインショップFUJIMARU2階にて、
楠田浩之さんによるKUSUDA WINESセミナーが開催されました。

私(荒槙)自身、楠田さんにお会いするのは9年ぶりでした。
ニュージーランドへワイナリー訪問に行ってから、もうそんな時間が経っていたのです。

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これまでの10年間を振り返るような懐かしい写真がスライドに流れました。
それを見ながら楠田さんが、ワインを好きになったきっかけ、またワインを造ろうと
思ったときの心境、そして実際にワイン造りを学ぶためにドイツへ渡ったときのことや、
ニュージーランドに移住してきてからの苦労話などなど、ものすごく濃くて深い時間だったと
想像するのですが、まるで何事もなかったかのように淡々と語られました。

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「人生において何をしたいか」
これを明確に描き、そしてそのために着々と準備をし、決断していく。
言葉にするのは簡単ですが、なかなかできることではありません。

「日本人である自分が造ったワインで、世界をあっと言わせたい。」
「そのためにはすでに名声のあるブルゴーニュの畑でワインを造るのではなく、
まだまだこれからというニュージーランドで、一から勝負をしたい。」
「そうして初めて日本人でもワイン文化を理解できるのだ、と証明することができる」
楠田さん本人の言葉がグッと胸に響きます。

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ワインは5種類をテイスティング。白ワインはリースリング2011、
コルク栓とスクリューキャップの飲み比べ。
フレッシュさをしっかりキープするスクリューキャップと、
多少の複雑性を内包する表情豊かなコルク栓。
今後どのように熟成していくのか興味が尽きないところ。

ピノノワールは2010年。繊細な果実の風味と優しい酸が織りなす、
絶妙のハーモニー。

メルロー・カベルネソーヴィニヨン2008もずいぶんこなれて美味しくなっていました。
でも、まだまだよくなりそうです。

そして今もっとも楽しみなのがシラー。マルティンボロの気候と高樹齢のシラー、
そこに緻密な畑仕事が加わり、収穫時には尋常ならざる選果を経て、大切に醸された
シラー2009年。世界の評論家からも注目され、もしかしたら数十年後には
ニュージーランドを代表するブドウ品種になっているかも、とのことでした。
(オンラインショップでも販売しております。)

畑や醸造場での細かい作業について、またヴィンテージごとの特徴や苦労話など、
いろいろお話しをきくことができました。でも一番印象に残っているのは、
「よくテロワールといいますが、私はこの中でも人の割合が大きいと思っています」
という言葉でした。

まず楠田さん本人の強い気持ち。世界で通用するワインを造りたい、という気持ち。
そして楠田さんの想いに賛同し、NZまでお手伝いに来られたたくさんの方々の気持ち。
そして日本で、楠田さんのワインを扱う人々、それらを飲み楽しむ人々の想い。
いろんな人の想いが、ワインボトルに詰まっているのかもしれません。

セミナーの最後に、あらためてワインをテイスティングしてみました。
今まで感じることのできなかった何かが、フワッと身体のなかに入ってきたような、
そんな気持ちになりました。

KUSUDA WINES 10周年おめでとうございます。
そしてこれからも、もっともっと楽しみにしています。

Dai Aramaki
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by kokusan_fujimaru | 2012-09-17 17:24 | ワイン全般