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【お食事処しみず】小鉢と焼き魚をアテに ~ウラなんば~

「おにいちゃん、小と玉吸いね~。魚あたためようか~?」
いつものおばちゃんの声が響き渡るなか、茶葉がたっぷり入った熱いお茶をひと口。
入ってすぐのところにあるショーケースからは、厚みがたっぷりのブリ照焼きと
しんなりとほぐれた筍を手にテーブル席へ。

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ご飯の小は小、玉子入りお吸い物は玉吸い。
このあたりの略語に昭和を生き抜いた逞しさを感じつつ、
ピカピカに磨かれたテーブルに清々しさも覚えます。

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今回のウラなんばは、グランド花月からも近い「お食事処しみず」さんへ。
ショーケースからおかずをとって飲み物やご飯・汁物をオーダーするという、
昔ながらの大衆食堂。よく知ってる方も多いのではないでしょうか。

ところでこういうお店って、今はだいぶ少なくなった気がしますが、
子供の頃に父親によく連れてこられた記憶があるんですよね。。
その場合母親や姉は一緒ではなく、いつも父親と僕だけ。
スポーツ新聞片手に瓶ビールを注文しアテは冷奴とアジフライ。
たまに真っ赤なウインナーや目玉焼きもありましたっけ。

それを嬉しそうにつつく父親をよそ目に、僕は週刊誌を読みながら
かつ丼やうどんを。似たようなオヤジが店内にはいっぱいいて、
タバコの匂いとソースが焦げた匂いが充満するなかで、
どうしてこの人たちは、こんなに楽しそうにしてるんだろうと
不思議に思っていたものです。

しかしそんな僕も、父親と同じくらいの歳になって、こういうお店へ。
小鉢を手にしてテーブルに座りおばちゃんの声を耳にした瞬間、
懐かしい気持ち、ある種の既視感が蘇りました。

柚子香る玉吸いはほんのりと出汁の効いた温かみのあるもの。
堂々と肢体を横に向けたブリ照焼きは、箸を入れた瞬間に
指先から旨みが伝わってくるほど。

みずみずしく甘みのある筍を間に挟みつつ、つやつやな白米を丁寧に口中へ。
魚、おかず、ご飯、吸い物と続く反時計回りのオーバルコースは、
いつまでも走っていたいと思えるほど魅惑的でした。

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ここ一週間で三度も通ってしまいました「お食事処しみず」さん。
とりなんばうどんの、あのお出汁が口中に満たされた時の幸せ感といったらもう。。

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ハイスペックなラーメンとは一線を画した中華そばの、潔くも凛とした旨み。
なんでもない日常にある大衆食堂ではありますが、琴線に触れるなにかが、
きっとあるんだと思います。

いつの日か瓶ビールとお酒をしっぽりやりながらマグロの刺身、出し巻、
ぬた和えあたりをつつきたい「お食事処しみず」さん。
こういうお店が街中に、普通に存在するところに、
大阪の大衆食堂の足腰の強さみたいなものを見た思いがします。

Dai Aramaki

御食事処 しみず
住所:大阪市中央区難波千日前11-26
TEL:06-6641-1461
営業時間:9:30~21:30(最終入店)
定休日:月曜休
by kokusan_fujimaru | 2013-04-11 16:04 | ウラなんば情報